今月の「めからうろこ話」
第1回 ドライアイ①(2016年3月)
今回は「ドライアイ」についてお話させて頂きたいとおもいます。
現代社会ではパソコンやスマートフォンの長時間使用、さらにコンタクトレンズ装用に伴いドライアイによる不快感、眼精疲労に悩む方が多いと思います。
さて眼の表面は結膜・角膜という粘膜が存在しています。
その粘膜は粘液、涙液で潤わされています。
この粘膜、粘液の状態が悪いと涙液が不安定になり、均一に潤わないため霞んでみえたり、また摩擦が大きくなりごろごろしたり傷ができることもあります。
傷や炎症が原因で充血しやすくなります。
3年前に胃の粘膜を治療するムコスタ内服錠を目薬に応用したものが発売されました。
この目薬(ムコスタ点眼液)は1日4回使用しますが症状が軽ければ2回くらいの使用でも大丈夫です。
この目薬が今までのドライアイの目薬(人工涙液、ヒアルロン酸点眼液)と大きく異なる点があります。
今までの目薬はただ水分を補充するだけでしたので、涙液の安定性は改善せずすぐに効果がなくなるので頻回に点眼する必要がありました。
しかし、この新しい目薬は粘膜を治すことにより粘液涙液が常に安定しかすみ目、異物感、充血を改善し効果が持続します。
また、防腐剤が入っていないので目に優しいお薬です。そのため使い捨てソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズを装用したままで点眼できます。
ただ、苦味があるので涙の通り道を流れてのどに多く入ると最初は抵抗を感じます。
そのため、点眼後すぐに目頭を1分押さえます。こうすることでのどに流れる目薬はだいぶ減ります。また、ほとんどの方がこの苦味に段々となれてきます。
もう1種類、5年前にジクアス点眼液という目薬が発売されました。この目薬は1日6回点眼しますが症状が軽ければ1日4回の使用でも大丈夫です。
この目薬も粘膜を治すことにより粘液涙液が安定しドライアイの自覚症状を改善させます。今年、製品改良が施され防腐剤の種類を変更することによりコンタクトレンズ装用中でも使用できるようになりました。
続く